マイアミの北郊のビーチ・リゾート

キューバ危機でマイアミ・ビーチの治安が悪くなった時期、昔からの高級リゾートとしてのマイアミ・ビーチに住んでいた人々は、次々に北にある隣町へ脱出していった。

そのため、マイアミ・ビーチの北には、サーフサイド、バル・ハーバー、ゴールデン・ビーチ、ハランデール、ハリウッド、フォート・ローダーデール、オークランド・パーク、ポンパノ・ビーチ、ライトハウス・ポイント、ディアフィールド・ビレッジ、ボカ・ラトン、デルレイ・ビーチ、ボイントン・ビーチ、レイク・ワース、パーム・ビーチ、さらに、フォート・ピアース、ベロ・ビーチ、デイトナ・ビーチと、有名無名の大西洋岸のビーチ・リゾートがどこまでも続いていくのだ。

このようにたくさんあるマイアミ北郊のビーチ・リゾートの中でも、比較的マイアミに近く、古くから高級リゾートとして知られてきたフォート・ローダーデールは、私が初めてマイアミを訪ねる前夜、キャンピングカーでオートキャンプをした思い出の町だ。

当時のフォート・ローダーデルは、マイアミ・ビーチ市よりもずっと高級なビーチ・リゾートといった印象だったのだが、最近、マイアミ・ビーチにあった店やオフィスなどが次々に引っ越してきたりして、マイアミ・ビーチとほとんど同じようなリゾートになってしまった。

さらに北のポンパノ・ビーチやボカ・ラトンなどは、最近日本でも耳にするようになってきたリゾートだ。高級リゾートという言葉でまっさきに思い出すのは、それらよりもさらに北へいった、パーム・ビーチだ。ここには、フロリダ半島を今日のように繁栄させる基礎を作った、鉄道王フラッッグラーの住んだ家があり、アメリカ有数の高級ショッピング街もあったりと、まさにマイアミ・ビーチの奥座敷といった感じなのだ。

マイアミ・ビーチの北、フロリダ半島の東海岸に連なるビーチ・リゾートの中で私が一番好きなのは、何といってもディトナ・ビーチだ。遠浅の海岸と広い砂漠をアピールするために始まった車のレース、デイトナ・スピードウェイの町だからだ。現在は内陸部の本格的なレースレース場に会場を移してしまったが、もともとは、砂浜で行う車のレースとして有名なった所だ。その砂浜は現在でも車ごと入れるようになっていて、アメリカ中の車好きな若者が集まってくる場所になっている。

砂浜のスピード制限は厳しく、時速10マイル、キロになおすと時速16キロ、と決められている。実際走って見ると、ほとんど止まっているようなスピードなのだが、それでもみんなレーシング・ドライバーになった気分で広い砂浜を走るのだ。ひとしきり走った後は、車を止めて、次々に走ってくる車を見ながらその場で日光浴という具合だ。

フォート・ローダーデールでおもしろいパーキング・メーターを見つけた。リゾート地にはリゾート地なりのパーキング・メーターがあるのだ。

フロリダ半島では、マイカーを持つのと同じように、だれでもモーター・ボートやヨットを持っているので、モーター・ボートやヨットを持つ人の人口密度が世界一だという。大西洋の荒波をうけない、天然の内海になっている場所が多いのがここの特徴だ。フォート・ローダーデールの夕方。

フロリダ半島に住んでいる人は、一年中リゾート気分のように見える。彼等は、仕事のあいまにレジャーを楽しむのではなく、レジャーを楽しんだ後の空いた時間で仕事をしているのだ。フォート・ローダーデールで。

フォート・ローダーデールの目抜き通りで。

スイミング・ホール・オブ・フェイム。「水泳の殿堂」の町だ。

ここでは、明るい太陽と美しい海、健康な体さえあれば他には何もいらない。フォート・ローダーデールのカップル。

フロリダ半島のビーチ・リゾート群の中でも、最高級リゾート、パーム・ビーチは新聞の自動販売機でさえ、他とはちょっと違う。

フラッグラー氏は、フロリダ半島からカリブ海の方へ、海の真ん中を通る鉄橋をいくつも渡して160キロも先のキー・ウエストまでの鉄道をひいた、フロリダ半島リゾート開発の基礎を作った人だ。パーム・ビーチの元フラッグラー邸は、フラッグラー・ミュージアムとして残されている。

アメリカでも有数のパーム・ビーチのショッピング街。

リゾート・ブーム以前の姿を残す、ハウス・オブ・リフュージと呼ばれる建物。

マイアミ・ビーチ市のすぐ北隣、バル・バーバーにも高級ショッピング・モール、バル・ハーバー・ショッピング・センターがある。

デイトナ・インターナショナル・スピードウウェイはもともと砂浜でレースをしていたという。どうすれば砂浜でレースができるのかと不思議だったが、実際に見てみると、コチコチに固まった砂浜は、砂浜というよりも舗装道路のようだった。

デイトナ・ビーチは、車のレースを観戦するだけでなく実際に昔のレース場を走れるという、楽しい所なのだ。

スピード制限10マイル、16キロだけちゃんと守れば、どんな車ででも走ることができる、デイトナ・ビーチの砂浜。

私はキャンピングカーごと砂浜に乗り入れた。私の後ろにはこんな車もついてきていた。

砂浜を走り抜けたら、今度は日光浴。目の前を時速10マイルの車が走りぬけていく。

大きなビーチ・タオルを持ってきて、ゆっくりレースの観戦。デイトナ・ビーチで。

車でやってくる、かっこいい男の子のボーイ・ハントかもしれない。デイトナ・ビーチは、明るい若者の社交場といった印象だ。

さびてしまって動かなくなろうが関係ない。自転車を砂浜に持ち込んだ人。

なんでもOKのデイトナ・ビーチのようだが、安全には細心の注意が払われている。スピード制限も厳しいし、ライフ・ガードも完璧だ。

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