アンティークはロイヤル・ストリートで

「ニューオリンズの一番の魅力は、ディキシーランド・ジャズでもなければ、バーボン・ストリートでもない」という人がいる。本当の魅力はバーボン・ストリートより少し川寄にある、ロイヤル・ストリートなのだそうだ。

そのロイヤル・ストリートにある、朝食がおいしいので有名なレストラン、「ブレナン」で、地元の代表的なアンティーク・ショップを経営する人達と、ブレック・ファースト・ミーティングを持ったことがあった。

彼等の話では、アンティークを買い求めるのだったら、ニューヨークやロンドンよりも、このニューオリンズの方が絶対いいらしい。第一探しやすいし、値段ももしかしたらニューヨークやロンドンよりも安いものがあるかも知れない。ロイヤル・ストリートには、何軒ものアンティーク・ショップが軒を並べているので、一度でほとんど全部の店をはしごして品物を見比べられる。短い時間で本当に気にいったものを見つけられる確率がとても高いのだ。

ここロイヤル・ストリートに店を構えているアンティーク・ディーラーは、先祖代々ディーラーとしてこの町でやってきているので、信用がある店が多い。アメリカのアンティークだけではなく、ヨーロッパのアンティークを見つけるのにも最適な場所だ。

彼等のお得意様の中には、趣味が高じてしまい、この地方の農園主の館として多く残っている1800年代に建てられたプランテーション・ホームを買い取り、当時の時代に合わせた家具、調度品まで買い揃える人までいるという。本当に良いものだけを扱う店が多いので、そういった買い物も安心してできるのだ。

「マンハイム・ギャラリー」のマンハイム氏、「モス・アンティークス」のモス氏、「ワルドホーン・カンパニー」のモーゼス氏など、アンティーク・ショップのオーナー達は、イギリスのエリザベス女王陛下が彼等のお得意様だということが自慢の種で、なるほど、素晴らしい、最高級のものが揃っていた。また、ニューオリンズの観光局の人の話では、最近ニューオリンズに買い物に来る人のために「タックス・フリー・ショッピング」を始めたらしい。ヨーロッパの国でよくやっている制度で、「タックス・フリー」のステッカーのある店で買い物をした時に、パスポートを提示して必要な手続きをすれば、ニューオリンズ空港を出発する時に「セールス・タックス」を返してもらえるというもの。この制度をじょうずに利用すれば、セールス・タックスのないオレゴン州と同様、買い物天国の州になるだろう。いつかお金をためて、大きなアンティークのテーブルかシルクのペルシャ・ジュータンでもどんと買いにいきたいものだ。

掘り出し物のアンティークを見つけて、おまけにそれがタックス・フリーならば、一石二鳥。そのうえ、掘り出し物を見つけるこつまで教えてもらおうと、さきほどのアンティーク・ショップのデーラー諸氏に聞いてみた。ところが、やはりそううまくはいかないようで、毎日毎日、何十年もアンティークの取り引きをしている彼等ですら、「掘り出し物だ」と思える品には十年に一度位しかお目にかかれないのだそうだ。それよりは、信用のある店へ行き、店の人とよく相談をして、自分の欲しいもの、自分の気に入った物を買うのが一番だ、とのことであった。

ロイヤル・ストリートのアンティーク・ショップは、外から見ると地味な作りだが、ドアを開けて中へ入ると、アンティークがぎっしりと詰まっていた。

1881年創立のワルド・ホーンの店で見つけた「キングス・パターン・オブ・イマリ」。ヨーロッパの王室のデザインによる、日本の伊万里焼だそう。

マンハイム・アンティークのマンハイム氏のとっておきのコレクション・ルーム。紀元前400年の中国の殷の時代の焼き物や、1690年頃のイギリスのアンティークがたくさんあった。

ワルド・ホーン・カンパニーのモーゼス氏の店では、キングス・パターンの伊万里の他に、数多くの伊万里、イギリスの影響を受けてインドで作られたキャビネット、イギリスのダベンポートなどを見せてもらった。

ロイヤル・ストリートに面したケイル氏のローヤル・カンパニーの外観。外からみるとどうと言うことはない店のようだが、一歩店の中に入ると、素晴らしい世界が広がっている。

ワルド・ホーン氏の店で見せてもらった4.5カラットのダイヤモンド。14万ドルという値札がついていた。

1800年から1820年頃に作られた「イングリッシュ伊万里」。ワルド・ホーンの店だ。

≪≪前へ  目次  次へ≫≫