町中が桜の花一色に染まるメイコンの桜祭り

気候風土も日本と似ているためか、毎年春に全市をあげて桜祭りを行う町がジョージア州にあるというので訪ねてみた。

このメイコンという町は、日本からジョージア州へ進出した企業の代表ともいえる、YKK吉田工業の工場がある町としても知られているところだ。しかし、桜祭りをやるようになったのは日本企業があるという理由からでなく、毎年美しい花を咲かせる桜の木をたまたま見つけた地元の不動産会社の人が、毎年メイコン市民にその苗木をプレゼントし続けた、というのがきっかけなのだそうだ。

ちょうど桜の咲く頃にこの町を訪れることができた。町中が桜の花に覆われている、といっても決して過言ではないほど、みごとな桜がダウンタウンの並木道や住宅街に咲き乱れている。住宅街の各家庭の庭には、必ず何本かの桜の木が植えられていて、それらが一斉に花を開いている。このような中で、市民がお祭りをしようという気分になるのは当然のことだろう。毎年3月の終りの一週間、全市をあげてのお祭りには、各家庭の玄関や郵便ポストなどにもピンクの飾り付けをし、桜祭りの旗を建て、町中がピンクのテーマカラーにうめつくされてしまうのだ。

すっかり都市化が進んできてしまった日本では、春といっても一部の桜の名所だけが賑わう程度で、このような町をあげての桜祭りというのはあまり聞かないようだ。実際にこの期間にこの町に来て、みると、ここではクリスマスよりもイースターよりもなによりも桜祭りを楽しみにしているのではないかと思うほど盛り上がっているのだ。

この桜祭りをメインイベントとして、さらにもりたてるのがパレードだ。開会式が教会で厳粛に行われた後、市民はダウンタウンの桜並木の下へいって、ピクニック・ランチを食べる。そして町の目抜き通りを締め切って、ジョージア州各地から代表してやってきた人々のパレードへと続くのだ。もちろん、桜の本場日本からの代表団も来ており、ひときわ大きな拍手をあつめている。「ミス桜祭り」とか、若い女性だけを対象にしないようにとの心遣いからか子供達のミスとミスターとか、ミセスとか、次々と登場する。

そして一番印象的だったのは、夜桜の下でのディナーパーティーだ。さしずめ日本では桜の下にゴザを敷いて一升びんというところだが、さすがこればっかりは日本式というわけにはいかない。イブニング・ドレスで正装して、ワインで乾杯というスタイルである。そしてその後はロングドレスにタキシードという人々が町中から集まってきて、大舞踏会の開始。なんとそのステージには日本の桜の名所、日光東照宮のセットがあるではないか。開けて翌日は雲一つない快晴。この暖かさでは桜の花も散ってしまうのではないかと心配になるほどだ。週末のこの日には子供たちだけのパレードも行われ、元気良く思いっきり楽しんでいるようだ。パレードが終わると市内の公園では「チェリー・パイ」の早食い競争が開かれたり、一番人気の、「ドッグ・フリスビー」大会が開かれたり、大変な盛り上がりだ。

ジョージア州にはこのメイコンの他にも、「ドッグウッド」はなみずきのお祭り「ドッグウッド・フェスティバル」を開催する町がいくつもある。暖かくなったらぜひまた出かけてみたいところなのだ。

メイコンの住宅街も桜祭り一色。桜祭りの晴れ着を来た若いカップルも誘い合わせてパーティーへ出かけるようだ。

桜祭りのシンボルの旗も町中に飾られている。

住宅のドアというドアには、桜祭りのデコレーションが競いあうように飾られている。

桜祭りの開会式が行われた教会。前の横断歩道も桜のデザインに変えられていた。

ダウンタウンのチェリー・ストリートには、まだ若い木だが、こんな桜並木が出来上がっていて、桜祭りの間中様々な催しがこの下で催されるのだ。

森の中にあるようなメイコンの住宅街。この季節には、桜の森の中といった感じだ。

ジョージア州中の人が集まってしまったのではないかと思われるほど、普段は静かで落ち着いたメイコンの町が賑やかになる一週株だ。

桜並木の下でゴザをひいて、という日本のイメージとはちょっと違ったメイコンの桜祭りだが、花の美しさを本当に楽しんでいるようだ。

これがメイコンのダウンタウンのチェリー・ストリートと交差する桜の並木道。

ミス桜祭りのフロートも、明るいジョージアの太陽を浴びて、まぶしいばかりに輝いていた。

こんな巨大なアメリカ国旗もパレードに参加していた。チェリー・ストリートで。

ジョージア各地の学校のブラスバンド部の学生たちも、このお祭りに参加するのを楽しみにしている。

桜祭りというと、やはり日本を身近に感じるようで、日本をイメージしたこんなパレードも好評のようだった。

桜祭りのパレードは、チェリー・ストリートと交差する広い大通りいっぱいに、何時間も続くのだ。

メイコンに滞在していた日本の黒部市の学生のフロートにも大きな拍手が送られていた。

ジョージア州メイコン市の夜桜の下、シャンペンを開けてのお花見パーティ。日本のお花見の文化と、ジョージア州の人々の文化が結び付いた素晴らしい国際交流のパーティだった。毎年、この桜祭りはひとつの国をテーマとして催すようにしているのだが、日本は特例で、毎年のように必ず日本をテーマにした催物が含まれているようようだ。

シャンパンやワインのコルクを抜いて乾杯!

古き良きディープ・サウスを彷彿させる大舞踏会も催された。

舞踏会のメイン・ステージは、なんと日本の桜の名所、日光東照宮をデザインしたものだった。

この桜祭りをここまで盛大にする努力を続けて来た功労者、ミセス・クレイトン。

メイコンの市民にとって、今宵はアメリカ南部文化の華やかりし頃をしのんで思いっきり楽しむ晩だ。

ミス桜祭りに選ばれた女性もそれぞれエスコート役の男性と舞踏会に参加していた。

おとなの出番が終わって、翌日は子供達だけのパレードの日。もちろんおとなたちもパレードに協力して、メイコン市の目抜き通りいっぱいに長い長いパレードの行列が続く。

リトル・ミスの女王もパレードの先頭に立って

そしてリトル・ミスターも。

子供達も今日は自分たちが主役と大張りきり。

あまり張り切り過ぎて疲れてしまった子は、やはり大人のお世話になっていた。

桜にちなんだことはなんでもやってしまおう、というわけか、チェリー・パイを何秒で食べ終えるかを競う、早食いコンテストも開かれていた。

ペットの犬とやるドッグ・フリスビーの大会も桜祭りの呼び物。

フリスビーでゴルフのようなゲームを考え出した人がいた、かと思うとそれを人間に投げさせてゲームにしてしまった犬もいるというわけだ。

桜祭りは、ジョージアの人々にとっては、文字通り家族全員で楽しめる、楽しい春のお祭りだったのだ。

≪≪前へ  目次  次へ≫≫