ポリネシア文化の香り高いカウアイ島
飛行機に乗って、上空から見たカウアイ島は、島全体が深い森に覆われていて、まるで「ハワイ諸島の奥の院」といった雰囲気。歴史上、カメハメハ大王が治めるハワイ王国には属さない、カウアイ王国という独立した国家だったこの島では、さすがに、島内に流れるハワイアン・ウェディング・ソングや、まわりの風景にも、歴史の重さが感じられる。その思いをいっそう強くさせてくれるのが、エルビス・プレスリーの映画「ブルーハワイ」や、「南太平洋」にも登場する、カウアイを代表するホテル、ココパームス・ホテルだ。王家の離宮のヤシの林の中にあるホテルは、フロントのデスクが、ポリネシア音楽にかかせない、太鼓の形。客室内の洗面台には貝殻が使われ、インテリアには島の伝説に出てくる動物のカエルが使われている。全体が離宮当時の室内装飾を思わせるようになっていて、宿泊客は、ハワイの王様になったような気分を味合えるのだ。
このように古くからの伝統を守り続けているカウアイ島で、最近気になることがある。その昔、王家の結婚式場として使われ、現在は一般の人々、特に日本人が結婚式をあげることで有名な、シダの洞窟がある。ここの岩にはえているシダが、年々薄くなっているような感じがするのだ。訪ねるごとに撮影する写真を並べると一目瞭然だ。
これは、地球上の他の地域での汚染物質と、島内で使われる農薬が、海や地下水を通って影響しているらしい。太平洋のど真ん中にある、自然に囲まれた島でも、他からの影響でその自然が壊される危険性があるのだ。
ハワイアン・ウェディングで知られる、シダの洞窟。日本からも大勢のカップルが結婚式を挙げるためにやってくる。映画「南太平洋」や「ブルー・ハワイ」の舞台になったこの島の代表的な観光名所だ。あまりにも大勢やってくる観光客のせいか、環境汚染のせいか、この聖地のシダに元気がないのが心配だ。 ワイルア川をシダの洞窟の方へ登って行くボート。一般観光客は、このスミス・ボートを使用するが、結婚式を挙げるカップルには、専用ボートが用意されているという。 シダの洞窟へ到着するまでの間、ワイルア川を進むボートの上で演奏してくれるハワイアンの調べは大評判。 太平洋のグランド・キャニオンといわれる、ワイメア・キャニオン。カウアイ島の西側を南北に貫く巨大な渓谷だ。谷の深さは1000メートル近くにもなり、西側の崖の上には、ロケエ・ロードの展望台がある。 600年間、カウアイ王家の離宮だったココ・パームス・ホテル。ホテル内にある、結婚式用のチャペル。 ココ・パームス・ホテルを貫くラグーン。このホテルは、王室が所有するヤシの林の中にある。 カウアイ島の北側、ハナレイやハエナの先、ケエ・ビーチで終わってしまう道のさらに先には、ナパリ・コーストと呼ばれる断崖絶壁が続く。 道がつながっていないナパリ・コーストへは、ヘリコプターか、モーターボートで行くしか方法がない。鯨やシャチを見たり、洞窟の探検も楽しめるようだ。 ココ・パームス・ホテルのフロント。ハワイの伝統的な太鼓のイメージのデスクだ。チェック・インの手続きも楽しい。 カウアイ島の一番北側のハナレイにできた、リゾート、プリンスビル。ハナレイ・プランテーションでも有名な所だ。海に囲まれたゴルフ場の中に、豪華なシェラトン・プリンスビル・ホテルや、コンドミニアム、タイムシェア・リゾート・マンションなどが点在している。 プリンスビルからナパリ・コーストへむかう道路にはたくさんの洞窟がある。マニニホロ。 島の南側のポイプ・ビーチ近くには、塩吹き岩、スパウティング・ホーンがある。 空港の町リフェからポイプ・ビーチへ行く途中の並木道「ツリー・トンネル」。 カウアイ島の新しいリゾート、ポイプの町にある、ポイプ・ビーチ・パーク。 カウアイ島の北側、ハナレイで見つけたまるで日本の水田のようなもの。実はタロ芋の畑だ。タロ芋は、ハワイ料理によく使われる芋で、葉の形は里芋にも似ている。昔はここで稲作も行われていたという。 ハワイ名物の「おかず屋さん」。のり巻やいなり寿司などを売る惣菜屋だ。 塩吹き岩で、貝などのみやげものを売る店。 地元の人が集まるケアリア・ビーチは、バイクで砂浜まで入れるようだ。 150年前の砂糖きびプランテーションの名残り、コロアの「オールド・コロア・タウン」。
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