パイプステム州立公園

ウェスト・バージニア州にある州立公園の中で一番敷地の広いのが、パイプステム州立公園。国立公園局の管理するナショナル・パークのひとつ、ニュー・リバー・ゴージナショナル・リバーに近い、ブルーストーン・キャニオンの尾根の上に作られているリゾートだ。

この公園を作るにあたって州は、自然を保存しながら、人々がアウトドア生活の体験ができるといった、一般的な公営の公園というだけではなく、民間企業が経営しているリゾートのような、徹底的にコマーシャル・ベースにのった所にも負けないような設備づくりに力をいれたのだ。

州立公園の中には、前項で紹介したオートキャンプ場の他に、本格的なリゾートの雰囲気のロッジ、キャビンなどの貸し別荘が何十棟もある。さらに十八ホール、九ホールの二つのゴルフ場、テニス・コート、プール、展望用ケーブルカー、乗馬場、野外劇場なども完備している。その他に、公園全体を巡るトレイルが作られていて、徒歩で回るトレイル、乗馬で回るトレイル、冬の間はクロスカントリーで回るトレイルなど、いくつもの種類に分かれているのだ。乗馬で回るトレイルの途中には、一晩野外でテントキャンプできるような施設まで用意されている。

ほんの短期間しか滞在できなかった私は、一日のうち午前中はゴルフ、午後はプール、夕方には乗馬をして夜にはオートキャンプ場でのバーベキュ・パーティーと、欲張ったスケジュールで毎日を過ごしたのだった。

誰でも泊まることができるし、もちろん日本からでも予約ができる。公共施設ということで、料金も民間リゾートの半分以下。安くて超豪華なリゾート・ライフが楽しめる所なのだ。

ウェスト・バージニア州は、他の地方に比べると、炭鉱の町が点在するほか、これといった産業もなく、かろうじてガラス製品が特産品として知られている程度だ。当然人口密度も少なく、全米でも土地家屋の安い州としても有名なのだ。

最近、パイプステム州立公園ゴルフ場の近くに、この土地の安さと自然の美しさを利用した、リタイヤメント・コミュニティが建設されて話題を呼んでいる。ここは、民間の経営するリゾート・スタイルのリタイヤメント・コミュニティーなのだが、ここの広告が凄い。いわく、「二エーカーの別荘地、18ホールのチャンピオン・シップゴルフ場、室内温水プール、サウナ、エクササイズ・ルーム、オリンピック・サイズのプール、夜間照明つきテニス・コート、乗馬場、三つのレストラン、釣池と貸しボート、ハイキング・コース、…」あげくの果てはリバー・ラフティングからカヤックまででてくるのだ。これらはもちろん、すべて州立公園の施設。だれにでも分かってしまうようなほらを堂々と広告をだしているので、思わず笑ってしまった。

パイプステム州立公園の夏の予定表の一部を見ただけでも、野生の花を見て歩くアクティビティー、スライド・ショー、バード・ウォーク、ロディオ大会、野生の鹿探しなどなど、何週間いてもけっして退屈しないような充実したスケジュールがいっぱいだ。

わずか三日間しか滞在できなかった私は、今度来る時は最低一ケ月は滞在しようと決心し、後ろ髪を引かれるような気持ちで、パイプステムを後にしたのだった。

公営のリゾートの中にあるとは思えないほど立派な18ホールのゴルフ場。1番ホール、357ヤード、パー4。

打ちっぱなしの練習場も日本とは全く違う。

アメリカ各地にある、プライベート・リゾートに比べても何の遜色もない、パイプステム。本格的な乗馬コースが素晴らしい大自然の中に作られている。途中テントで一泊できる乗馬コースが人気だ。

アパラチア山脈の中のニューリバー・ゴージ・ナショナル・リバーからつながっているブルーストーン・キャニオン。ブルーストーン川を望む展望台。

パイプステム州立公園は、冬の間はクロスカントリーで知られている。上の写真と同じ場所で。

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