ニューイングランドの歴史を残す、シェルバーン・ミュージアム

ニューヨーク州との州境にある巨大な湖、レイク・シャンプレーン。その湖畔にバーリントンという都市がある。そのすぐ南にあるのが、シェルバーン・ミュージアムで知られる、シェルバーンの町だ。

この辺りは、北隣のカナダの影響を強く受けている土地柄で、町の目抜き通りには、カフェテラスが軒を連ね、メニューもフランス語、つかのま、パリの雰囲気を味わう事もできる。

もっとも、この町のシンボル、シェルバーン・ミュージアムは、フランス文化とは関係のない、アーリー・アメリカンの生活形態をコレクションしたもの。もともとは大金持ちの砂糖王の娘、ウェッブ婦人が、個人的に興味を持っていた、アメリカの歴史の品物をコレクションしていたものだったのだが、趣味が高じてどんどん本格化、ついには一般公開するまでになってしまったのだ。広々とした敷地は、ちょうど日本の明治村、どちらかといえばテーマ・パークといったほうがいい感じだろう。

ここバーモント州は過去に、14年間程独立国だったという経験を持つ所。ユニークな歴史を持つ州だけに、その展示物も大変興味深い物が多かった。

庭の芝生の上には、独立戦争当時、イギリス軍のタイコンデローガ砦を攻めた英雄にちなんで名付けられた、レイク・シャンプレーン湖を横断するのに使用されていたフェリー「タイコンデローガ号」が展示されていた。また、ニューイングランド地方独特の住民参加の政治システム、草の根民主主義の元祖ともいうべき「タウン・ミーティング」が行われていたという、1899年の「ミーティング・ハウス」も移築されていたりするのだ。しかし、なんといっても一番おもしろかったのは、「シェーカー」といわれた、キリスト教一派の人々の歴史だ。彼等は、その戒律の厳しさゆえに、子孫を作ることができずに、死に絶えてしまったのだそうだ。あまりにも純粋すぎた彼等は、ちょっとしたことでもすぐにおびえて震えてしまう。そのため「シカー」と呼ばれていたのだ。その彼等の生活の様子を知ることができる建物や資料などをみると、あまりにも純粋でシンプルん人生に驚いてしまったのだ。

それにしても、50年近くも前に、アメリカの歴史や文化を保存しようと思い立つ女性がいたということには、つくづく感心させらてしまった。1960年、彼女の死後はその息子、J・ワトソン・ウェッブ氏が立派に後をついでいるのだという。

バーリントンの目抜き通りは、チャーチ・ストリートといって、車の通行を禁止した、市民のための「溜まり場」になっている。シェルバーン・ミュージアムは、この町の郊外にある。

チャーチ・ストリートは、フランスのパリの雰囲気。路上にはカフェ・テラスが広がり、フランス語がとびかっている。

1791年に創立されたバーリントンにあるバーモント大学。ニューイングランドで5番目に古い大学だ。

レイク・シャンプレーン湖畔のバーリントンの町並みは、どこかヨーロッパ風。

1755年、イーサン・アレンに組織された植民地軍が、イギリスのタイコンデローガ砦を陥落。この砦の名前が、レイク・シャンプレーのフェリーボートに付いている。これもシェルバー・ミュージアムのコレクション。

ニューヨーク州との州境のほとんどは、このレイク・シャンプレーンになっている。このさらに西側には、ニューヨーク州立のアディロンダック・パークがある。両側が美しい緑の山々、真ん中は湖と、本当に美しい町バーリントン。

1890年のセントラル・バーモント鉄道のシェルバーン駅。交通関係のコレクションも充実している。

メリー・ゴーランドもアメリカのサーカス文化の歴史のひとつだ。

1901年の建物を移築してきた建物、ラウンド・バーン。

地元のシェルバーン駅は、実際に使える状態で保存されていた。バーモント州では、昔のままの鉄道を走らせているところもある。

ニューイングランド特有の「ミーティング・ハウス」も、1840年に建てられた、シャーロツビルの建物を移築したものだ。

シェルバーン駅の構内には、1890年代当時の旅の様子が保存されている。

まるで教会のような、ミーティング・ハウスの内部。

ステージ・コーチ・イン。この丸い物は、1782年にシャーロッテに建てられた、駅馬車の泊まる宿場にあった、看板のようなもの。

「シェーカー」と呼ばれた人々の住んでいた建物の内部。非常にシンプルな生活をしていたのがよく分かる。1834年、ニューハンプシャー州カンタベリーにあった建物を移築。

シェルバーンに残っている、1840年の鍛治屋。実演も見せてくれた。

「シェーカー」の住んでいた建物は、「シェーカーシェッド」とも呼ばれていた。仕事場の2階が住居になっていたようだ。

1890年頃でも、こんなスタイルの刑があったようだ。バーモント州のキャッスルトンから移築された刑務所。

「バーモント・ハウス」と呼ばれるこの建物は、1790年には建てられていた、古いバーモントをしのばせる伝統の建物だ。

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