ロードアイランド州

全米50州の中で一番小さな州として有名だ。だいたい日本の東京都と同じぐらいの広さなのだが、人口は約100万人で、こちらは東京都の約一割。とはいっても、アメリカの人口密度にすればかなり多いほうなのだが。また、州の名前から、ひとつの島のようなイメージを受けるが、これはナラガンセット湾にある、一番大きな島の名前を州がそのまま州の名前として使っただけらしい。

ロードアイランド州の東側の大部分は、大西洋から大きく入っている、ナラガンセット湾に面している。その湾の一番奥にあるのが、州最大の都市で、州都でもあるプロビデンスの町だ。このプロビデンスの町は、政治、経済両方の中心都市で、エレクトロニクス産業、高級衣料品、貴金属など、付加価値の高い産業が盛んな所。そして、この州の大きな産業、北大西洋漁業の中心になっているのが、港町ニューポートだ。

ロードアイランド州は、東部13州の中で一番最後に連邦に加入した、ということになっている。しかし地元の人々の意見は少し違うようだ。ロードアイランドは、1776年、フィラデルフィアで開かれた大陸会議において、各植民地の代表が独立宣言所にサインをする二ケ月も前に、イギリス王に対して独立を宣言していたというのだ。つまり「ロードアイランドは、ファースト・ステイツだ」というのである。

港町ニューポートと州都プロビデンス

港町ニューポートは、有名なヨット・レース「アメリカズ・カップ」でも優勝経験がある、「ニューヨーク・ヨット・クラブ」の本拠地だ。前年の優勝チームの地元で開催されるアメリカズ・カップは、ここニューポートでも、過去二度ほど開催されているのだ。今や、日本でも人気沸騰のアメリカンズ・カップ、全米でも屈指の強豪チームの地元ということで、さぞかし町全体が「アメリカズ・カップ」一色だと思って訪れて見たのだが…。とりあえず「アメリカズ・カップ」に関係するものを探してみることにした。確かに町の中には「アメリカズ・カップ・アベニュ」という大きい通りがある。ところがあるのはオールド・コロニー・アンド・ニューポート・レイルロードという昔のSL。町の人は、「ニューポートの一番の売り物だから、ぜひ乗ってみなさい」と勧めてくれるのだ。「私はヨットに乗りたいのだ」というと、「オールドポート・マリーン・ハーバー・ツアーという観光船があるよ」と、なにかずれている。どうも、地元ではあまり騒がれていないらしく、あとはアメリカズ・カップ・ギャラリーという土産屋が一軒あるだけ。どこを歩いてもアメリカズ・カップにぶつかると思っていた私の予想は、大きく外れてしまったのだ。そこで、気を取り直して他を回ることにした。キャッスル・ヒルの灯台あたりを一周するオーシャン・ドライブといわれるドライブ・コースは、アメリカで最古の保養地として知られる所で、それを裏付けるかのように、道路からは、超豪華別荘群がみわたせる。その中には、ノース・カロライナ州にあった巨大な別荘、ビルトモア・ハウスの、バンダービルト財閥が1800年代に建てた古い別荘も残されていた。

次ぎは、州都のプロビデンスへ。ここにある美術学校、「ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン」は、私の祖父がボストンに絵の勉強にきていたころ、一時通っていた所なのだ。州議事堂の撮影をすませた後、さっそくその学校を訪ねることにした。

そこには、90年前祖父が学んだと思われる、古い建物がいくつもある。ひとつずつ教室をのぞいていくと、数人の生徒が作品の制作に取り組んでいる姿も見える。彼等の姿に、祖父をオーバーラップしてみても、ちっとも違和感がない。それほど昔の雰囲気を残した建物だったのだ。

そしてそのすぐ隣にあるのが、アイビーリーグのブラウン大学。キャンパスの中庭で出会った学生は、日本語の勉強中だ。近々日本に留学するのだそうだ。「こんにちわ」と、むこうから声をかけてくれた。

アメリカ最古のリゾートに建つ超豪華別荘、ベルコート・キャッスル。1894年に完成した、バンダービルド一族の別荘だ。

桟橋の並ぶニューポートのダウンタウンから、ニューポート・カントリークラブを一周するオーシャン・アベニュ。

アメリカズ・カップ・アベニュから、コマーシャル・ワーフと呼ばれる桟橋へ入ると、北太平洋漁場で獲れた魚が水揚げされていた。

ニューポートのダウンタウンにならぶいくつもの桟橋には、シーフード専門のレストランが建ち並ぶ。店の脇にはボートがつなげるようになっている。

バニスターズ・ワーフの両側は、シーフード・レストラン、マリン・グッズの店、マリン・ウエアの店でいっぱいだ。

ニューポート・ブリッジは、大きな外洋船がたくさん入ってくる、ナラガンセット湾の主要航路になっているので、こんな形だ。

ニューポートのアメリカズ・カップ・アベニュと、ロング・ワーフの所にある古い伝統を持つ、ニューポート・ヨット・クラブのマリーナ。

ロードアイランド州の州都、プロビデンスは、政治だけでなく、経済、文化の中心地でもある。初めは衣類工場が多かったのだが、最近は銀や宝石の加工業も発展している。

丘の上のロードアイランド・スクール・オブ・デザインから、州議事堂を。

1901年に新しく建てられた、プロビデンスにある、ロードアイランド州議事堂。

アートやデザインの学校としては、全米でも有名な、ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン。学生数は2000人。

ロードアイランド・スクール・オブ・デザインは、芸術専門の学校として、1877年に創立された。

ブラウン大学は、東部名門校「アイビー・リーグ」の大学のひとつ。

ブラウン大学のキャンパスの芝生の上でお目にかかった、日本語の教科書。

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