州都ハートフォードと住宅地ベセル

コネチカット州の州都ハートフォードは、保険会社の町、「インシュアランス・キャピタル」という異名を持つ所。ここには、現在35社以上の保険会社の本社があり、アメリカの保険業界の中枢になっているのだ。

そしてもうひとつ、ここはインテリジェント・ビル発祥の地でもある。現在では、日本でも盛んに建設されているインテリジェント・ビルだが、そもそもはこの町に登場したのが始まり。コンスティテューション・プラザ、ハートフォード・ショッピングセンターなどの、ダウンタウンの再開発の一環として建てられたインテリジェント・ビル第一号、「シティー・プラザ」が完成した時には、ビル自体に機能を持たせたという画期的なアイディアが、世界的な注目を集めたものだ。

その最先端のビルの撮影をしてみようと思い、張り切ってシティー・プラザを訪ねてみた。ところが、そこで働く人々が便利なように作られた所に、観光客などの関係ない人々が訪れて、その機能を低下させるわけにはいかないということで、ビルの内部は厳重に警戒されている。残念ながら、いくら頼んでも撮影はさせてもらえなかったのだ。

そこで今度は、もう一つの名所、郊外にあるマーク・トウェインが住んでいた所、「ヌック・ファーム」を訪ねてみた。「トム・ソーヤの冒険」の作者で知られる彼は、新聞記者をしていたこともあり、後に外輪船の船長になって、1874年頃ここに住んで、「ハックルベリー・フィン」などの名作の執筆をしていたのだ。

今度こそと思ったのだが、ここも内部の撮影は禁止。周囲の緑に囲まれた外観しか撮ってはいけないというのだ。当時の生活の様子が撮れると思って、期待していった私はまたまたがっかりしてしまって、どうせ撮影できないのならと、内部の見学もしないで帰ってきてしまったのだ。今思うと、少しもったいなかったと思っているのだが…。

次々と撮影を断られてしょんぼりしている私に、友人のジェフが、それなら一般の人々の写真を撮ればいいじゃないかとはげましてくれた。たくさんの住宅の集まるベセルなら、素顔の人々の生活が撮れるし、子ども達の世界も覗いてみてはというのだ。

彼の心使いに元気を取り戻した私は、さっそく撮影にとりかかった。当時、長男のクリスチャンは小学校6年生、長女のクリスチーナは小学校1年生。まずは子供達が宿題をしているところから開始。翌日は、一日中密着取材ということで、通学のスクールバスにまで同乗させてもらったのだ。いかにもコネチカットらしく、保険の書類にサインにしてバス乗車、いざ出発だ。学校では教室に入って授業風景の写真も撮らせてもらった。

授業では、「ナショナル・ジオグラフィック」誌を使っていて、その中には以前に私が撮影した写真も含まれていた。そのことをクリスチャンに教えると、彼はそのページを切り抜いてくれたのだ。彼は、昼休みには、給食のチケットをくれて、一緒にピザを食べたり、まるで一日転校生のようにやさしくしてくれる。おかげでとても楽しい一日を過ごすことができたのだ。

そして週末にはメリーゴーランドのある、大きなショピング・センターや町のカーニバル、教会のバザーへ。一家のおかげでたくさんの写真を撮ることができたのだ。

イギリスの古城のイメージがする、ハートフォードの州議事堂。オフィス・ビル街の真ん中にある建物だが、周囲は美しい公園に囲まれていて、市民のスポーツ・グラウンドにもなっている。

中央にある高層ビルが、世界最初のインテリジェント・ビル、「シティー・プレイス」。

保険の町、ハートフォード。ここは数多くある保険会社のひとつ、フェニックス・ミューチュラル保険。

全米の大都市が次々にスラム化の危機にさらされていた時、ハートフォードではいくつもの大プロジェクトを組んで、再開発に取り組んだのだ。いまでは再開発のモデル都市になっている。

ハートフォード郊外のヌック・ファームにある、マーク・トウェインが住んでいた家。ここでいくつもの名作が生まれたのだ。

マーク・トウェインが住んでいた母屋。

ヌック・ファーム内にある、マーク・トウェインのライブラリー。

コネチカット州のベッドタウンのひとつ、ベセルに住むクリスチャン。今日は妹のクリスチーナの宿題をみてあげている。

教室に国旗を掲げている、典型的な授業風景。

6年生の世界地理の授業は、図書館で行われていた。

自宅の前の通りまで、毎日決まった時間に送迎してくれるスクール・バス。

ロックウェル小学校の昼食時間は2交代制。全員が広い食堂に集まってする。

1年生の国語の時間。リーディングという、英語の読み書きの授業だ。

このショピング・センターができる前は、毎年サーカス小屋がやってくる広場だったそうだ。いまでもそのなごりのメリーゴーランドがあった。

不要品はバザーにだして再利用するのが、ベセルでは当たり前。

ベセルのカーニバルでは、こんなゲームをやっていた。

夏と春に行われるカーニバルやカウンティー・フェアになると必ずやってくる、移動遊園地。

子供の頃から金銭感覚を養う意味から、バザーの店番を子供達にまかせることも。

ボランティアのピエロ達。子供達に大人気の彼等は、カーニバルの雰囲気を盛り上げている

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