ナイアガラの滝とアップ・ステイト・ニューヨーク

マンハッタンの一番北のハドソン川にかかるジョージ・ワシントン・ブリッジを越えて広がる地区「アップステイト」を訪ねて、ある秋の週末、ジョージ・ワシントン・ブリッジの近くのパリセイズ・インターステイト・パークウェイを、ハドソン川を見ながら北上していく途中で、ある行列に出くわした。いったいなんの騒ぎかと、隣の車の窓に声をかけると「アーミー」と「ペンシルベニア」の対抗戦だと教えてくれた。この行列は、ウェストポイント陸軍士官学校のスタジアムで開かれる、カレッジ対抗フットボール大会の応援に来ていた車のラッシュだったのだ。

ハドソン川をさらに北上した所には、オールド・ラインベック・エアドロームがある。ここはライト兄弟が発明した頃の飛行機から、第一次大戦当時までの古い型の飛行機を実際に飛ばして、「ドッグ・ファイト」と呼ぶ、空の対抗戦をやって見せるのだ。

飛行場のオーナーのコールペイレン氏に進めらるままに飛行機に乗せられて、空からこのドッグ・ファイトを観戦した。カメラのファインダーを覗いているときは怖さは感じなかったのだが、フィルムを入れ替えているときにはさすがにめまいがしてしまった。

この飛行場からさらに奥に入ると、「ナショナル・ベースボール・ホール・オブ・フェイム」という野球の殿堂のある町、クーパースタウン、世界一のガラスのコレクションを保有する「コーニング・グラス・センター」などがある。そして私にとって忘れてならないのは、「ジョージ・イーストマン・ハウス」だ。コダック社の企業城下町、ロンチェスターにあるこの建物は、写真の博物館になっている。

州の北東部はアディロンダック山地と呼ばれる地区で、関東平野ほどの広さがある。ここは州立公園になっているが、地元では将来、ここを国立公園にしたいようだ。以前、冬のオリンピックが開催された、レイクプラシッドもこの地区にある。ニューヨ々ーク・シティの子供達が、夏の2、3週間を過ごすという、「ボーイズ・キャンプ」や「ガールズ・キャンプ」などもこの地区で行われる。

そしてさらにここを北上していくと、カナダとの国境にまたがる、世界最大の水量を誇る、ナイアガラ・ホールに行き着くのである。半分がアメリカで半分がカナダという、ナイアガラは、世界中の人が集まる観光地であるとともに、ニューヨーカー達が手軽に外国の雰囲気を味える、観光地でもあるのだ。近場で済ませようという、ニューヨークに住むハネムーナーたちでいつもいっぱいだ。

カレッジ・フット・ボールの大会が、ハドソン川河畔のウェストポイント陸軍士官学校のスタジアムで開かれていた。スタジアムの外では、バーベキューなどをしながら、ピクニック気分で来ている家族の応援団があった。

ウェストポイント陸軍士官学校のチーム名は「アーミー」。

他の士官学校同じく、ここでも女子の学生が増えている。

州都オルバニーの「エンパイヤー・ステイト・プラザ」は、ロックフェラーが開発した、新しいオフィス・ビルの複合体だ。ロックフェラー財閥のネルソン・ロックフェラーは、州知事を努めたこともある。

人口2180人のクーパースタウンは、「野球の殿堂」の町として、世界的に有名な町だ。ナショナル・ベースボール・ホール・オブ・フェイムで殿堂入りすることが、全アメリカ大リーガーの夢だ。

殿堂に付属する、ミュージアムに保存されている、ベーブ・ルースのバット。ベーブ・ルースはニューヨーク・ヤンキースなどに在籍し、生涯に714本ものホームランを打った、アメリカ野球界の国民的ヒーローだ。

ジョー・ディマジオのように、野球の殿堂入りを果たすと、こうして功績を末ながく後世に伝えるのだ。

全米、全世界のファンが一度は訪れたいと思うのが、クーパースタウンの野球の殿堂。

ハドソン川河畔のオールド・ラインベック・エアドロームで、二枚羽の飛行機に乗せられてしまった。空から見る空中戦はすごい迫力だ。

コーニングは、ニューヨーク州を代表するコーニング社の企業城下町。コーニング・グラス・センターのコレクションは世界的に有名だ。

関東平野ほどの広さの自然がそのまま残されているのが、アディロンダック・パークだ。そこで、都会から来た男の子達が夏休みの数週間を過ごす「ボーイズ・キャンプ」を訪ねて見た。

午前中は教室で勉強したり、アート・アンド・クラフトを楽しみ、午後からは野外活動だ。カヌー、ヨット、乗馬などがインストラクターの厳しい指導のもとで行われる。

多少の冒険、危険がともなうことでも、事前に十分な注意を与え、安全対策を完璧に行うことによって、充実した内容のキャンプになっているようだ。

「ガールズ・キャンプ」は、モーターボートが唯一の交通機関という、湖の真ん中の小島の中にあった。ここでも小学生から高校生までの女の子が参加していた。

女の子に人気があるのが乗馬。餌をあたえることから始まって、すぐ自由に馬をあやつられるようになる。男の子は車が好きだが、女の子は乗馬が大好きだ。

夏休みに、2、3週間のサマー・キャンプに参加した子供は、日常まったくできない体験を積んだことで、一段とたくましくなって都会へ帰っていく。

アディロンダック・パークは、その静けさゆえに読書にも最適だ。ある人は、湖畔でじっと読書をしていたかと思うと、次ぎの瞬間、湖に飛び込んでいた。ここでは、国立公園への格上げをめざす運動が地元で続けられている。

25年前、アメリカを初めて訪ねた時に、アディロンダック・パークのテント・キャンプに誘ってくれた時のH.S.アトウッド氏のカヌー。

オンタリオ湖に面したロチェスターは、コダック社の町。この写真集でも使用した、コダクロームのフィルムもこの町で作られているそうだ。

五大湖の水を大西洋に流す、セントローレンス川が滝となって流れるナイアガラ。ここはアメリカ合衆国とカナダとの国境にもなっている。写真は、アメリカ側の滝をゴート島から見たところ。間にテラピンポイントがあって、向こうに「ホースシュー」と呼ばれるカナダ滝が見える。水量は400万馬力で、ここで作られる電力はカナダとアメリカで中良く分けている。

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