ニューヨークの交通とお祭やパレード

車社会が中心のアメリカで、ニューヨーク市は、唯一、車無しでも生活できる所だ。最高級のアパートに住んでいるか、運転手付きのリムジンにでも持っていない限り、駐車場の確保が不可能に近いので、むしろ車を使わない方が生活し易いといえる。幸いに路上の駐車上を確保できたとしても、狭い路上に無理矢理駐車するので、前と後ろのバンパーはどの車もベコベコになってしまうのだ。

そういうわけで、ニューヨークに住む人は、必要な時だけレンタカーをして、普段の生活は徒歩か、そのほかの交通期間を利用することが多く、急な雨にあったときや急がない時にだけタクシーを利用するようだ。

いまやニューヨーク名物とさえなっている、雨の日の金曜日の夕方のタクシーの奪い合いは、関係のない人が見たら、結構たいくつしない。「レディーファーストよ」といって、さっさとタクシーに乗ってしまうおばさんを、ずぶぬれになりながらも文句もいわずに黙ってみている男性のあわれな姿は、気の毒だが思わず笑ってしまうほどだ。

タクシーを利用しないで、歩いて行けない所へ行く時はバスを利用する。乗換自由な「トランスファー」券や、「トーケン」と言われる、地下鉄と共通ののコイン式の切符もあるのだ。もっとも、狭い市内は、バスもラッシュアワーにあい、かなりの時間はかかる。時間に余裕が無い時は、やはり地下鉄に限るようだ。地下鉄は24時間体制で運行、毎日三四〇万人の人が利用している。危険で汚いというイメージだった地下鉄も、最近はいぶん安全になってきていて、落書きのある地下鉄を探すのにも苦労するほどだ。

ニューヨークでバスか地下鉄で通勤している人は、全体の56%。ずいぶん少ない数字だと思ったら、川を利用したフェリー通勤という手段があるのだ。そして、かなりの人が徒歩で通勤している。マンハッタンをスニーカーでさっそう歩くビジネスマンの姿をよく見かけるが、そういうわけだった。

そんなニューヨークで、交通ラッシュが一段とひどい五番街の交通をすべてストップしても、だれからも文句がでないのが、年中行事のように行われるパレードだ。ひどい時には高速道路やブロードウェイも、全面通行止めにしてしまう。

ニューヨークのパレード・シーズンは、四月のイースター・パレードから始まる。五番街のセントパトリックス・チャーチの前が中心になるこのパレードは、行事として組み込まれたものではなく、自然発生的なもの。イースター・エッグやバニーを飾りたてた帽子のファッション・コンテストのようだ。

続いてセントパトリックス・デーのパレード。秋になって十月はパレードの目白押しだ。イタリー系のアメリカ人が中心になるコロンバス・デー・パレードがあり、つぎはパレードではないけれども、市民にとっては大切なお祭りでもあるニューヨーク・マラソン、子供達が楽しみにしている、ハロウィーンのパレードも十月の終りにある。そして、暮もおしせまって、地元のデパート、メイシー・デパートがスポンサーになって、ブロードウェイを中心に行われる、サンクスギビング・デー・パレードが終わると、残るはニューヨークが一年で一番美しく飾られる季節、クリスマスだ。クリスマスにはパレードこそ行われないが、五番街がまるごとクリスマス一色に変身するのだ。

 異常なほどの交通量の中で生活しているのに、パレードのためならとおとなしく待っているドライバーをみる度に、つくづく不思議な人々だと思うのだ。

ニューヨーク港内は、通勤用のフェリー、観光用のフェリーなどが行きかっている。

地下鉄のほかに、地上を走る通勤用電車もある。グランド・セントラル駅の早朝。

こんなニューヨーク名物の地下鉄を探すのも今では難しい。

汚いイメージを払拭するために、デザインも一新。

ニューヨークで、総台数を11,787台と規制されているタクシーを捕まえるためには、車道にでて、腕を大きく広げ、体で止めるしかないのだ。時には指笛をふくことも。

「イエロー・キャブ」と呼ばれるタクシー。お客さんが、メトロポリタン・ミュージアムの前のパントマイムに飛び入りしてしまった。

マイカーの必要性がないニューヨークの人も、やはりレジャー用の車は欲しいようだ。新車発表会の人気は、やはり遠くまででかけるための4WDだ。

ニューヨーク市内を走るバスは、4000台。バス停も多く、ダイヤ数も多いので、急がない時には便利な乗り物だ。

乗換自由のサービスや、「トーケン」という地下鉄との共通コインで利用者へのサービスをはかっている。

ニューヨークで一番快適なのは、運転手付きのリムジン。駐車場の心配もなく、値段もそれほど高くない。五番街のショッピングに利用する人もいる。

セントラルパーク名物の馬車も便利な交通手段。市内観光を、ガイド付きで楽しむこともできる。

お祭とパレードが大好きなニューヨーカーにとって、春一番の楽しみはイースター・パレード。だれでも自由に参加できるパレードだ。

帽子に楽しいデコレーションをする、イースターの帽子コンテスト。それをかぶって5番街をねりあるくのだ。

5番街、ロックフェラー・センター前のセントパトリックス・チャーチの中で行われていた、牧師さん達のパレード。

セントパトリックス・チャーチ前に集合した、イースター・パレード参加者。

この子もパレードに参加だ。

大統領選挙の党大会、「デモクラティック・ナショナル・コンベンション」もお祭気分。

ニューヨークで行われた、大統領選挙の党大会。

高速道路、インターステイト278線を閉鎖して行われる、秋のニューヨーク・マラソン。一般市民も参加するマラソンだ。

コロンブスのアメリカ大陸発見を記念した、イタリー人による、コロンバス・デーのパレード。

毎年、地元メイシー・デパートがスポンサーになって行われる、6番街のサンクスギビング・パレード。

さまざまな人種が住むニューヨークだが、パレードが好きだというのは共通しているようだ。メイシー・サンクスギビング・デー・パレードで。

感謝祭が終わると、次はクリスマスの準備だ。5番街に面したロックフェラー・センターのチャネル・ガーデンも着々と準備を進めている。

イギリス・ビルとフランス・ビルの間で、英仏海峡という名前が付いた、チャネル・ガーデン。ここにクリスマスのデコレーションの明かりがともると、ニューヨーカーは気もそぞろだ。

ロックフェラー・センター前のクリスマス・ツリーは、世界でも一番有名なツリーだ。シーズン中には、テレビでも連日この姿が流れる。

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