ニューヨーク州

「ニューヨーク」というと、大抵の人はニューヨーク州のほんのごく一部、ニューヨーク市に五つある自治区の中の一つ、マンハッタン区のことを思い浮かべるだろう。ところが、実際のニューヨークは、州の面積が約13万平方キロ、ニューヨーク市はその内の780平方キロしかないごく一部の地域なのだ。カリフォルニア州に次いで全米第二位の1800万人をもつニューヨーク州。そのうちの約半分の人がニューヨーク市に住んでいる。そしてそこは、なんでもそろっている帝国「エンパイア・ステイト」と呼ばれ、北はボストン、南はワシントンD.C.までを含めて、大きな一つの都市にたとえた、「メガロポリス」の中心都市なのだ。

大都市としてのニューヨーク以外のニューヨークもなかなか素晴らしい。平野地帯は、ハドソン川やセントローレンス川、レイク・シャンプレーンなど、水源に恵まれており、大西洋岸も静かで美しい海岸線をもっているし、「アップ・ステイト」と呼ばれるアパラチア山脈、キャッツキル山地、アディロンダック山地の更に奥には氷河によって作られたフィンガー・レイクや五大湖が。そしてなんといっても有名なのが、カナダとの国境にある、水量世界一のナイアガラの滝だ。

つまり、ニューヨーク州は、アメリカを代表する大都市と、アメリカを代表する大自然が共存する所なのだ。

世界の政治・経済・文化の中心地、ニューヨーク

ニューヨーク・シティーのニックネームは、ご存じ「ビッグ・アップル」。どうしてそう呼ばれるようになったのかは、地元の人もあまりよく知らないようだ。私が観光局の人に聞いた話では、「リンゴのように、中味が一杯つまっている都市」という意味とのこと。どうもこれが正しいようだ。朝御飯が何もない朝に、まるごとかじれば全ての栄養が満たされるといわれるほど、栄養のバランスが取れて、中身の濃いリンゴ、それも大きなリンゴにたとえたわけだ。

「洗いざらしのジーンズのおしりでリンゴの皮をふいて丸かじり」。なるほどニューヨークにピッタリのニックネームだ。

私がアメリカ合衆国のことを考える時、いつも「アメリカは、地球全体を濃縮した国」といったイメージがつきまとう。それは、いろいろな人種の人が同じ所に住んでいるからなのだが、ニューヨーク・シティーは、それをもっともっと濃く、凝縮した所だといえるだろう。

長い間、ニューヨーク港内の自由の女神の隣、エリス島に、移民の受入れセンターがあった関係で、ニューヨーク・シティーは昔から海外移民の定住率が高く、「人種のるつぼ」そのものだった。もちろんほとんどの人が自由で、共存しあって、協力もしあっているが、時には人種同士の戦いもさけられない。そんな、地球上に作られた全ての種類の人間が共有する特別な都市、それがニューヨーク・シティーだ。

世界政治の中心都市としてのニューヨーク・シティーを代表するのは、第二次大戦後、平和を目的に設置された国連本部だ。そして世界経済の中心としてのニューヨーク・シティーの代表は、やはりウォール街。日々の世界経済を一手に取り仕切っている、といっても過言ではない、ダウンタウンにあるウォール街の証券取り引き所を実際に訪れると、私を見る目も、他の場所で感じる「外国人観光客」といったものではなく、「取り引き相手国日本人」いったものだった。

文化面でも世界をリードするニューヨークは、いろいろな人種の人々が世界中から持ち寄る文化がまじりあって、より複雑なものになっているようだ。そこでは、お互いの文化を尊重しながら、よい所を貪欲に吸収し、その中から、最も新しいものをつくりだしてるようだ。

以上、政治・経済・文化のリーダーとしてのニューヨークを述べてみたが、これではとても説明しきれないと思うので、写真をお見せしなが紹介することにしよう。

移民の島、エリス島の出口で。

全ての移民を歓迎する、自由の女神。

ニューヨーク湾内のリバティー島と、エリス島、向こうはマンハッタン島。

世界中の政治・経済・文化が、この小さなマンハッタン島を中心にまわっている。湾岸都市としての恵まれた条件に加え、1856年から実施された町造りでは、この広大なセントラル・パークの土地買収の計画も入っていた。

自由の女神のリバティー島と、移民の島エリス島には、「移民」をテーマとした博物館があり、ナショナル・モニュメントになっている。移民の出身国を示す展示。

エリス島は、1892年から移民の受入れセンターが置かれ、「新世界の玄関」の役目を果たしてきた島だ。現在はフェリーによる、観光コースになっている。

マンハッタン島の南側の部分は、世界金融の中心となっている所。中にはウォール街や、世界貿易センターなどがある。

ニューヨーク市は、5つの自治区でできていて、そのひとつがマンハッタン島。マンハッタン島は、小さな島で、車で島の外に出るのには、15本の橋か、4本のトンネルを通らなければならない。

ウォール街のニューヨーク証券取引所。右はフェデラル・ホール・ナショナル・メモリアルで、ジョージ・ワシントン像も見える。ここは、彼が初代大統領の就任式を行なった所。つまり、ニューヨークは合衆国の最初の首都だったのだ。

1800年代には、ニューヨーク一高い建物だったトリニティー・チャーチは、現在、ウォール街のビルの谷間にある。

1626年、当時24ドルほどでオランダ人がマナハッタ・インディアンから買い取った島。証券取引所があるウォール街は、イギリス軍やインディアンからの攻撃を防ぐため、この島の周囲にウォール(城壁)が作られていたことから、この名前が付いた。

ウォール街から2ブロック北にある、フェデラル・リザーブ・バンク・オブ・ニューヨーク。日銀のようなもの。

ダウンタウンのワールド・トレード・センター近く、ビジネス街の真ん中、ブロードウェイの角にある、マリン・ミッドランド・バンク前広場には、オフィス街のシンボルとして、イサム・ノグチの彫刻がおいてある。

1719年に作られたこのフランセス・ターバンは、ジョージ・ワシントンがよく利用していたレストラン兼ホテルだ。現在の建物は、1907年に改築されたもの。

マンハッタン島の東側、魚市場の前にあるのが、古い街「サウス・ストリート」。20年ほど前から再開発が進み、サウス・シーポート・シーポート・ミュージアムを中心に、新しい溜まり場になっている。

ハドソン川対岸から、ワールド・トレード・センター。このあたはバッテリー・バーク・シティーと呼ばれる。

バッテリー・パーク・シティーのワールド・ファイナンシャル・センター。日本にこのビルを真似したデザインのビルがある。

「ビッグ・アップル」の本場、ニューヨーク名物リンゴのお菓子。サウス・シーポートであった彼女等も、ビッグ・アップルの由来は知らなかった。

寿司のネタも充実しているサウス・シーポート。シーフード・レストランの本場。

ダウンタウンのマクドナルドはドアマンがいて、中には株価の電光掲示板も。

ニューヨーク大学あたりまで北上すると、ワシントン・スクエアを囲む学生街、芸術家の街、といった、ニューヨークのもう一つの面も見せてくれる。

高級住宅街だったたたずまいを残す、グリニッチ・ビレッジのセント・ルークス・プレイス。ウォーカー・パークに面して建つこの家々には、有名な芸術家が何人も住んでいた。

「ビレッジ」の北側、「フラワー・マーケット」地区に、古いアパートが立ち並ぶ。どのアパートの屋上にも貯水タンクが乗せられていた。

サウス・オブ・ハウストン・ストリートの意味の、「ソーホー」は、つい最近まで倉庫街だった。広いスペースのある古い建物を改装して、ギャラリーにしたり、レストランにしたり。

ニューヨークの映画は、ハリウッド映画とはひと味違ったものがある。グリニッチ・ビレッジで映画の撮影中。

ソーホーには、ノーマン・ロックウェルを売り出したギャラリーなど、数多くの有名無名のギャラリーが軒を並べる。

グリニッチ・ビレッジに住んだ作家の中には、無名時代のマーク・トゥエインもいた。入り口の史跡の表示を見つけた。

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