芸術家として、環境保護主義者として、守り続けたもの

1999年 アンセル・アダムスの世界展

読売新聞社、美術館連絡協議会、日本テレビ放送網、フレンズ・オブ・フォトグラフィー、を始め、巡回各地の団体により主催され、外務省、アメリカ大使館、(社)日本写真協会、(社)日本広告写真協会、(社)日本写真家協会、等の後援、花王株式会社、コダック株式会社、等の協賛、日本航空の協力、で、1999年に巡回展が催されました展覧会です。

アンセル・アダムスは20世紀の最も著名なアメリカの写真家であり、同時に芸術表現としての「写真」が果たす役割の重要さをいちはやく認識し、ニューヨーク近代美術館の写真部門創設や、サンフランシスコ美術学校の設立に尽力。また1967年写真の教育的機関として、「フレンズ・オブ・フォトグラフィー」を創設、自ら会長職を勤め、美術界における写真の地位を高めた功績は、彼の最大の遺産として高い評価を得ています。

また、彼は環境保護運動の推進者としてアメリカ合衆国政府にも多大な影響力を持ち、近年その業績が再評価されています。この、「フレンズ・オブ・フォトグラフィー」設立30周年を記念し、そのコレクションから厳選した作品で構成された回顧展が、スミソニアン協会をはじめアメリカ各地の美術館で開催され大勢の観客を魅了しました。

ヨセミテ峡谷をはじめとした国立公園など、雄大な自然風景、ジョージア・オキーフやスティーグリッツら交流のあった人々の肖像など代表作115点を核に、写真表現におけるモダニズムを確立したアダムスの業績を振り返ります。

主な出展作品

<展示会場>

1999年3月2日 〜 3月8日 日本橋三越本店7階ギャラリー

1999年6月5日 〜 7月11日 愛媛県美術館(089-932-0010)

1999年7月17日 〜 8月22日 砺波市美術館(0763-32-1001)

1999年9月3日 〜 10月17日 北海道立釧路芸術館(0154-23-2381)

1999年10月26日 〜 12月12日 川崎市市民ミュージアム

以降アメリカツアーに続く


<アンセル・アダムス年譜>

1902年 サンフランシスコに生まれる。ニューイングランド出身の家系。

1916年 両親とヨセミテに行き、父親のブローニー箱型カメラで最初の写真を撮る。

1930年 写真家ポール・ストランドと出会い、彼の作品に啓示を受けて一生を写真に捧げようと決意。

1936年 スティーグリッツのギャラリー、アン・アメリカン・プレイス(ニューヨーク)で個展。

1941年 アートセンター・スクール(ロサンゼルス)で教鞭をとる。この年、露出と現像をコントロールする「ゾーンシステム」の技術を開発。

1943年 マンザナー日系人収容所のフォト・エッセイ『自由と平等に生まれて』の制作を始める。

1967年 ホワイトハウスでフォード大統領と環境政策について対話。英国王立写真協会の名誉会員に推挙される。

1980年 カーター大統領より「自由のメダル」を受ける。

1983年 カリフォルニア州が「アンセル・アダムス」の日を制定。

1984年 4月心不全のため、カリフォルニア州モントレー市の病院で死去。没後、ヨセミテ国立公園に近い地域がアンセル・アダムス自然保護区に指定される。

企画・協力/監修

(株)プランズ